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運命の書 第十二章

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http://www.playonline.com/eq2/tod/tod_c12.html より

遥かなる運命編集

その船を目にした瞬間に、私はいいようのない感動を覚えていた。ただの舟なら、それまでに、いくらでも見たことがあった。それらはあまり沖に出ないようこわごわと海岸線に沿って漕ぎ進むだけのちっぽけな乗り物だった。けれどもそのとき港に姿を見せていた船は、危険な外洋に乗り出すための堂々とした造りの船だった。大変動が始まって以来、そんな航海は不可能になっていた。けれど災厄の時代は過去のものになり、人はまた大海原に乗り出すようになったのだ。そんな遙かな航海のための船を見て、私の心が躍ったのは、それはもう無理からぬことだったといまでも思う。 思えば私は生まれてこのかた、いつでも胸にかすかな疼きを感じながら暮らしていたのだ。どこかで、何かが私を待っていてそれに引き寄せられるような、そんな漠然とした疼きだった。人生の遠い先までを具体的に思い描いていたわけではないけれど、それでも、あのちっぽけな海辺の村で静かに一生を終えるような将来は私の頭の中になかったのだ。

あの船が現れ、港に降り立った船乗りたちが新しい乗組員を探していると知ったとき、私の心ははやった。ついに待ち望んでいたときがきたと、そう直感した。むろん、故郷に別れを告げるのは寂しくもあった。友人や家族にもう二度と会えなくなるかもしれないのだから。けれども、私の決心がそれで揺らぐようなことはなかった。私はその商船に乗り込み、同じように新しい人生を求めて船に乗った仲間たちと出会った。

本当に良い仲間と知り合うことができた。頭の回転がとにかく早かったノームのジェレド。たくましい体とすばやい身のこなしが頼りになったケラのヴァリク。アニクラとバレンはハーフエルフの夫婦だった。みんな商船の新入り乗組員だった。船に乗って品物を売りさばく稼業を一生続けたいわけではなかったが、それでもあの船での暮らしは私が本当に憧れた波乱の人生への門口になってくれるような気がしていた。

波乱ということでは、すぐに大きな波乱が訪れた。ただし私があまり望まなかった種類のものが。あるとき、前触れもなしに船が海賊に襲われたのだ。あまりにも急に起きたことで、私はすっかり動転していたものだから、いまでもあのときの記憶はあやふやだ。相手は場数を踏んだ海賊たちで、それに対して私たちのほうはまったく戦いの心構えができていなかった。あっというまに船は乗っ取られてしまった。

海賊たちによって何人かの乗組員が海に放り投げられてしまった。バレンもその1人だ。私はといえば、甲板の端に追いつめられて、自分から飛び降りたのか殴り飛ばされて落ちたのかよく覚えていないものの、とにかく気がつくと海でおぼれかけていた。私の近くでもがいていたアニクラの体を掴み寄せ、必死で波間に浮いていた木材にしがみついたあたりまでは、なんとか覚えている。その直後に私の意識は暗闇に呑まれた。次に目が覚めたとき見知らぬ紋章の染めぬかれた船の帆が目に入った。私は見たこともないような、それまで乗り込んでいた船よりもさらに立派な船の甲板に横たわっていたのだ。

茫然としたまま身を起こし、私はうねる海原に目をやった。そのときだった。突然の閃光が走るように私は悟った。あの海原の果てには、見たこともない新世界が広がっているのだ。その世界は、神々のものでもドラゴンたちのものでもない。古代のわけのわからない王国のものでもない。その新しい世界は、未知と冒険に憧れる私たちのために広がっているのだ。

新しい時代を私たちは生きているのだ。自分の力で自分の運命を拓くことができる、運命の時代。これから、未知の驚きに満ちた世界へ踏み出すことになるのだと、私は予感した。ああ、向こうで船長が大声で私を呼んでいる。さあ行くとしよう。私の冒険がいま、幕を開けるのだ。

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