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ミラガル

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ミラガルの物語編集

追放されし異端者たち

エルダイトと死霊術、そしてミラガルの台頭と破滅 歴史家兼レンジャーロード、カラナの先駆者Aradune Mithara記す

過去三千年以上、ヒューマンはその幼名期にあった。ヒューマンはアントニカ中央部に居住し、カラナ平野の広大で肥沃な地へと徐々に広がっていった。村が現われ繁栄すると、町の規模に至るものもでき、そして二つの同規模の町が街へとなった--西のケイノスと東のフリーポートである。それを遠くから観察していた、先住の種族は軽蔑することが多かったのだが、ヒューマンは強かった--はやくもノーラスの世界における確たる足がかりを築き、そしてそこに住み始めたのだった。

しかし、これはヒューマンが平穏に暮らしていたということを示すのではない。初めのうちは外見の似た者同士、また共通の目的を持つ者同士で小さなグループを形成した者達もいた。競争は苛烈で、資源が乏しくなってきたとき、ある理由のため、また他の多くのグループが過去に交わされた約束や同盟を破棄したことから戦闘になった。なぜ彼らが凍てついた北の地から逃げてきたのかを人々に思い出させようとして、暴力に対して反対したリーダーもいた。彼らはハラスの地から、そしてバーバリアンの仲間から平和という名目で逃げ、かつての皆が同意していたように、彼らの長のもとにもう一度結束することを主張した。

この叫びは完全に無視されたわけではなく、戦闘は沈静化した。村々には互いに取引を行うことと競争には暴力を用いないことが奨励された。大部分を農業に基づいた経済が起こり、村や小さな町の周りには大規模な農場ができた。ほとんどの指導者はこのことに満足し、毎日の仕事の後、全ての人の食卓に食事が並ぶような平和以外は何も望まなかった。だがより多くを望む者もいた。彼らがたとえ、兄弟たる北方のバーバリアンが耐え忍んでいる標準的な生活を超えた快適な生活を手に入れたとしても、彼らは満足しなかった。エルフやドワーフや他の独特な種族、そして古に棄てられた都市の様子などが、遠方から戻ってきた探検家や冒険者により持ち帰られた。魔術や神秘的な技術という限られた知識を持ち帰った者さえいた。不満を抱いていた少数のリーダーはこれを聞き、嫉妬し決心したのだった。

小柄で貧弱しかし非常に賢い、エルド(Erud)と呼ばれる男がこのグループを率い、そこに議会を設置した。そのことで彼らはすぐに腹を立て、うんざりもした。スパイの情報網を残して、エルドに従う残りの者はケイノスの街から避難し小規模な船団に乗り込んだ。彼らは西へ航行し、オーダス大陸の不毛な沿岸へと上陸した。その大陸には動植物は少なく無人で、彼らにとっては非常に魅力的だった。彼らはすぐに自分達の町を築いたのだが、それはまるで高くそびえる城のようで、ケイノスにもフリーポートにも似ているところほとんどはなかった。エルディンと呼ばれたその内部で、筆記者や学者、つまりハイ・マンとも呼ばれた彼らは、スパイによりもたらされた報告、書物や巻物、その他の物品を集め分析した。ここに初めてヒューマンの魔法使い--ウィザード、ソーサラー、エンチャンターが生まれた。エルディンの大ホールは彼らが占め、無限の力と知識で覆われた。

技能に通じた者の一人がミラガル(Miragul)と名づけられた。他のものとは極度に違い、彼は東方の大陸にいるヒューマンの兄弟だけでなく、仲間のエルダイトさえ嫌うようになっていった。彼にはそのどちらもが醜く劣っているように見えた。彼らは思想に学派を創りだし、魔法を3つのグループに分類し、彼ら自身もウィザード、ソーサラー、エンチャンターという3つのクラスを分担した。ミラガルはそのように限定することを見て、思想などを一つに系統化するという考えに対しては本当に憤慨した。

彼は自分と似ている人々をすぐに見つけ出した。彼らは小規模であったが増えつつある追放者の集団であり、禁じられた原典や大部分の学生には秘密にされていた他の知識などをしばしば研究していた。その議会は道徳的・倫理的に、彼らのスパイが彼方から集めてきた情報の多くとは反対であった。ミラガルはその追放者達が、三つの魔法の系統だけではなく、四つ目の系統も研究していることを知った。それはネクロマンシー(Necromancy、死霊術)と呼ばれていた。幸運な数人のスパイが、遠くの地下都市(ダークエルフの故郷、ネリアック)から帰還し、彼らの生活ぶりとその魔術について説明された古代の書物を持ち帰った。ミラガルは興味をそそられ、強力な魔法を使うことで、自分のために四系統を創造し、四つ別々の性質と名称を定め、それらを議会の知識も誰の手も借りずに結び付けた。

知ることができるものは全て知ろうという欲望が増大してきたなか、議会が遠く離れた島とそこにある都市でネクロマンサーのグループを発見したのは数年後だった。彼らは異端者の烙印を押され、大規模な戦争が起こった。初めの数百年間、エルダイトは戦った。その内戦で戦った両者は、憎みあい、大陸本土から逃げたという点では似ているところがあった。しかし、決定的に異なるものがあった--両者共に剣や弓を使わず、魔法を行使した。そしてその結果は悲惨なものだった。何百となく命が失われ壮大な建物や建造物は破壊され、最後には異端者がエルダイト達に追われ、オーダスの南へと隠れて再編成するために逃げざるを得なかった。

四系統全てのメンバーだったミラガルは、対立が生じたとき、それに暗示される意味に気がつかないわけではなかった。異端者達が街から逃げ出す前にミラガルは彼らを残し、自分の第四系統という考え方を見限り、議会側に味方した。だがこれは時間を稼ぐための策略でしかなかった。彼は即座に、慎重に盗み出すことができたあらゆる古器物や大冊を集め、オーダスを脱出してアントニカのケイノスの街へと船を向けた。しかしその土地は、彼が嫌いであっただけではなくエルダイトのスパイの多い所でもあった。ミラガルは恐れ偏執にさえなり、すぐに再び逃げ出した。ハラスのバーバリアンに会わないよう願いながら、彼ははるか北へ向かい、そして東へ進んだ。何週間も経った後、彼はウィンターズ・ディープと呼ばれる広大な湖が近いことに気づき、そこにしばらくの間身を潜めた。

身を潜めて待っている間にも、彼の頭脳が休むことはなかった。彼は策をめぐらし計画を立て、エルディンから持ってきた全ての巻物と大冊の一字一句を研究した。時は流れ、彼の理解と力は増した。しかし彼は満足せず、より神秘的な知識に対する深い飢えが彼を侵食していった。そして直ぐに隠れ家を発ち、古代の原典と古器物を求めて長い旅に出た。彼の力は増していたし、エルダイトのスパイへの恐怖を乗り越えられるほど自信があった。再び外見と容貌を偽装して、ヒューマンの土地へと旅に出た。

ミラガルの古器の隠し場所から南にそう遠くはないところで、彼はすぐに新たな種族ハーフリングとその町リバーベイルを発見した。この魔術師は彼らが盗み好きなことを恐れ、宝物が質・量ともに大変なものになっていたので、あらゆる文化的な生活から離れ遠く北方へ移動することにした。エルダイトのスパイや好奇心旺盛なハーフリングの目の届く範囲を越えて長い旅の後、ついには広大なツンドラ地帯にたどり着いた。その土地には名前は付けられておらず、極寒平原(Frigid Plain)とだけ言われるようになるのは数世紀の後である。その凍つき隔絶した環境にミラガルの心は魅了された。というのも彼の心は冷たさを増し、知識と理想だけにとりつかれ、他人を憎むことでのみ満たされたからだ。知性ある生物の存在は彼を慎重にさせ、知識やアイテムの収集を遅らせた。それらの生物にはできるだけ関わらないようにし、避けられない時にも隠れるだけであった。

極寒平原の大地の下に、ミラガルは自分の収集品を隠し研究するため大規模なトンネルと地下室を張り巡らした。土を掘るための肉体労働はせずに強力な魔法を使ったのだった。部屋に次ぐ部屋、路に次ぐ路と、集めた古器を蓄えておくために造っていった。そこでまず、情報や物品を研究し貯蔵し、隠し場所に戻すことに地上世界でいうと20年を費やし、次に試してみたのは彼が造り出した研究室のひとつでの実験だった。

何十年、何百年もの年月が過ぎた。生命を永らえるために魔法の限りを尽くしたのだが、それでもミラガルは年老いた。年老いた身の彼にとっては、啓蒙には限界があった。そして自分でさえ死ぬ時が来るであろうことを悟った。死というものの一面のみに彼は恐怖し、もはや研究や収集ができなくなることが恐ろしかったのだった。肌には皺が増し、呼吸は弱くなり、ノーラスの世界を探求するよりも存在について研究する時間が多くなった。すぐに彼自身の「力と不調和の界」からは隣り合ってはいるが隠れた様々な次元を発見した。さらにこれらの次元への入り口を創りだし、そこを横切る方法をも解明した。だが彼から力は失われ、そのような現実にあってはその旅も短時間で無益なことが多かった。さらに死の恐怖で生きることへの動機が限定され、死という幻影に毎日憑りつかれることになった。

生と死の研究の基礎は何百年も前に、同志だったエルディンの追放者達から学んでいた。他の何物でもないネクロマンシーに彼は執着するようになった。そして偶然にもこの世界に、ほんの数秒で長距離を移動できるような門を創り出すことで、ある方法を発見した。彼は他のネクロマンサー達を捜すためオーダスの南方へ戻った。おそらく彼らがもう死をなんとかする方法を見つけただろう、と深く考えてのことだったのだろう。

魔術師はエルディンの異端者達をすぐに捜し当てた。彼らは地中深く未知の場にまで通ずる巨大な穴に街を築いていた。この亀裂は明らかにミラガルが数世紀前逃亡した時の内戦でできたものだった。そのペイニールと呼ばれる街で、いくらか疑わしさはあるものの、ミラガルは入ることを許され、後にそこの住民達の信用を得るようになった。多くの人が彼と彼の主張に調子を合わせたのだが、彼を尊敬し知識と知識、力と力を取引したいと考える者も少数いた。彼らはネクロマンシーの真の力、死体からゾンビやレイスといった主に従順なものを創り出す能力を明らかにした。異端者の多くは何世紀も前に自分達を追放し侵略してきたエルディンの議会へ恨みを晴らすため、アンデッドの大軍を使いエルディンを急襲する計画を立てていた。

ネクロマンシーのある重要な一面、アンデッドは老化しないという事実がミラガルを惹きつけた。その生命が無限に思え、その年老いた魔術師はそのようになる術を見出さねばならないと知った。そして死体を蘇らせる呪文を学び、異端者達がアンデッド軍を創り出すことに手を貸し、彼らの目的に興味があるかのように装った。しかしその間もずっと、ペイニールに与えられた小さな家に研究資料を隠し、自分に実験を重ねていた。そうして彼が探し求めていたもの、死体とは逆に生体がアンデッドに変身する方法を発見した。だが不幸にも残された時間は少なく、彼自身疲れ果て死に瀕し、身体は老衰し、異端者達は再び戦を起こす準備が整いかけていた。

同類達が数多くいる北方の彼の隠れ家へ門を戻すため、衰えていた生命力を僅かに使ってミラガルはペイニールを離れた。到着するとすぐ最も秘密にしていた研究室に静かに引きこもり、最後の呪文の準備をした。限りない探求と発見を夢見て、彼は究極の実験にゆっくりととりかかった。ネクロマンシーの秘術はついに行われ、彼は自分の遺物と儚い生命を、他のネクロマンサーからくすねた聖句箱(phylactery)という小さな装置に隠した。不可思議な力の雲が集まりそして分光して、かつてはミラガルだった男の輪郭が姿を現した。だがそれはアンデッドメイジ、古代の文献や伝説ではリッチ(Lich)と呼ばれるものであった。

しかし、彼は急いでいて計算違いをしてしまっていた。自分の生前の力は保有していたものの、そのリッチには魂が欠けていたのだった。その魔術師の精神だけは、遥かな隠し場所に置かれた聖句箱に閉じ込められ、知識や力の収集への欲望と野心を持ったままでいたのだ。魂を持たないそのリッチには人間的な特性は無く、その不死の生物が偉大な古器物で満たされ知恵と啓蒙の園であった彼の部屋をあてもなくさ迷い始めると、ミラガルの精神は声をあげず絶叫したのだった。


クレジット編集

  • 原文:SOE公式ページ
  • 翻訳:EQI

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